ヤクルト裏金事件

週刊現代に書かれていたヤクルトであった裏金事件について書きます。
ヤクルトのケースは巨人と違い、下位指名で獲得した新人選手から、スカウトが「いろいろ手を回してやったんだから」と、契約金から一部を謝礼金として受け取ったというもの。
疑惑の主は、島原公二スカウト。
「以前から、島原が絡んだ入団交渉には金のトラブルがつきまとっていた。選手の契約金の一部を、自分の息のかかった、あるいは縁の深い人間に『謝礼』として払わせていると噂され、その金の一部は、彼のポケットに入っているとの疑惑がある。」(球団関係者)
・A捕手の場合
強打と強肩が売り物で、巨人からも熱心に誘われた選手だった。巨人のスカウトがAの獲得に前向きで、春から何度も足を運んだ。ところが、ドラフト前の9月になって、ヤクルトの島原スカウトが、専大北上の矢田監督(Aは専大北上出身ではないが、専大系列の大学生だった)と一緒にやってきて「巨人を断ってくれれば、ウチが必ず君を獲る」とAにヤクルト入りを強く勧めた。A捕手はヤクルト入りを決意。契約金は三千万円。
しかし、仮契約の場で島原スカウトは奇妙なことを言い出した。
「当初、A君の契約金は2500万円でした。それを球団に頼んで3000万円にしてもらったんです。その上積み分の500万円を私に渡してください。これまで、この大学からプロに入った選手はいませんから、お世話になった人にどうやってお礼をしたらいいか、わからないでしょう。私に500万円預けてくれれば、こっちでお礼の方はやっておきます。」
そして、その場に同席した小田ヤクルトスカウト副部長が続ける
「この話はA君も親御さんも墓場まで持っていってくださいよ」
さらに、500万円を受け取る段になると、島原の態度が不自然になっていく。
A捕手が島原に500万円を振り込もうとすると「振り込むのはやめてほしい。現金で渡してくれ」今度は、両親が現金で手渡すことを伝えると「人を介して渡してください」と変わった。結局、小田副部長が受け渡し役になったという。

・B投手の場合
B投手は東京農大生産学部卒の速球派投手。
ドラフトの直前、Bは野球部の樋越監督に呼ばれ「ヤクルトが指名してくれそうだ」と伝えられた。そして、その際、監督から「下位指名で獲ってもらうから、いろいろお礼をしなくちゃいけない。金のことは俺に任せてくれ」といわれた。ドラフト後、島原が挨拶にやってくる。迎えに行ったのは監督であった。樋越監督は島原スカウトを迎えに行く直前「お前は契約金ゼロでもプロに行きたいか?」とBに聞いた。Bは「行きたいです」と答える。
樋越監督が島原をつれ戻ってくると、「契約金はゼロだったんだが、いま車の中で島原さんと話して1500万円にしてもらったぞ」Bは感激し、監督に頭を下げた。
その後、契約金を受け取る際に監督はBに新しい口座を作らせる。振り込まれたのは1500万円から源泉徴収された1210万円。監督は、そのうち300万円だけをBがもとから持っていた口座に振り込むみ、残り910万円のうち、200万円は野球部員の奨学金として監督に貸すことになったが、差し引いた710万円がいつまでたっても戻ってこない。監督は200万円の借用書は書いたが、あとは知らん顔だったという。
 
Bの窮状はヤクルト選手の中で知られることになり、古田、佐藤真一がBそしてAに事情を聞くことになった。古田は事態を重くみて、選手会の弁護士を紹介。返却交渉を行なうことになった。
Aの場合は、500万円のうち300万円が矢田に流れ、残り200万円のうち100万円は小田スカウト副部長がもらい、100万円は大学に寄付されていたという。
Bの場合も、樋越監督から250万円が返還されたが、150万円は使途不明だという。
 
この件に対して調査したヤクルト球団はスカウトの金銭の受け取りを否定。しかし、古田は
「どうして、これがシロになるんだ。担当スカウトが裏で金を取っているのは明白じゃないか」と激怒しているという。
 
ここまでが、現代の記事。
この記事が出たあと、改めてヤクルトは否定。しかし、専大北上の矢田監督は金を受け取ったことを認めたという記事が木曜日の新聞にあった(だから、現代の記事を紹介する気になった)。
今回のことは、スカウトが選手を指名する代償としてキックバックを受け取るというものであり、また、矢田監督などのブローカー的な存在が実際にいることを示している。
はっきり言って、悪質なスカウトと、それにまとわる監督、関係者、ブローカー達との関係を正さない限り、ウェーバー制でも金はかかるでしょう。
本当に、いろいろと変えなくちゃいけないことがあるな。
しかし、ヤクルトだからこの扱いなんだろうね。これが、巨人だったら…