野村と三木谷の考え
スポーツヤァでの、野村監督インタビューが興味深かったので紹介。というか、三木谷&野村コンビは、すごすぎる。
野村「これから作り上げていくわけですからお金と時間はかかりますよということを強くお話したんですが、どこまで三木谷さんに理解してもらっているかはわかりません。」
ーあの人は非常に気の短い方で、早く結果を求められる方と伝えきいています。
野村「おっしゃるように性格はせっかちな感じはしましたね。最初に話し合った時に野球は良く分からないからと、サッカーの話を盛んにされましてね。『ヴィッセルも弱かったけれど、ブラジルから外人監督を呼んだら、半年でチームを作り上げちゃいました。やっぱり監督の力って凄いんですね』という話をされるんですよ。サッカーと野球じゃまるっきり違うじゃないですか。サッカーの経験は無いですけど、常識的に考えて、野球のほうがもっと難しいし、チーム作りも選手の育成管理も時間がかかりますよ」
ーレオン監督のことですね。三木谷さんはあれでサッカーに成功したと思ってるんですかね?結局、レオンはすぐに首にしたし、ヴィッセルはJ2落ちですよ。長期的視野を持つフロントの必要性をわかったのではと思うんですがねえ。
野村「やっぱりね。企業も人なりっていわれるように野球も選手なりなんです」
(中略)
ーフロントにはどんどん意見していくつもりですか?
野村「いやいや。三木谷オーナーと何回か食事をしたんですけど、その都度おっしゃるのは『私たちは野球をまったく分かりませんと。だからもう1から10まで指示してくださいって。野村の指示通り動きます』というようなことは言ってもらってます。」
2年でハシェック、加藤、松永、レオン、パベルと入れ替えた人間がなにを言ってやがるんだか。
きっと、もうサッカーに興味がなくなったみたいなんで、周りのイエスマンがトリニータのデータを出したんじゃないかと思います。
野村「補強はドラフト、トレード、FAですが、外国人は大切ですからね。(息子の)ダン野村がそういう仕事をやってますから彼を使えば情報は集められますけどね。すでに彼の情報で、ピッチャーを一人取ったんじゃないですかな。」
ーグランドで死ねたら本望ですか?
野村「そうはいかんでしょう。私らしい場所ってどこだろうなあ」
ーそれはグランドの上じゃないですか。
野村「カツノリが、サヨナラホームランを打って優勝が決まった瞬間にベンチで倒れる。これはどう思う?」
ーそのカツノリも伸び悩んでいます。
野村「先日、亀田3兄弟のお父さんとお話しする機会があって、私は父親失格だなと思いました。『他の選手ばっかり育ててどうしてうちの息子を育てないの』と女房に言われてます。実は、今回、カツノリに二軍の監督をやらせようとしたんです。でもまだ選手でやりたいって言う。『45歳までやったんだから俺の気持ちがわかるだろう』って。おいおい、私とは物が違うって。これが息子には言えないんです。」
なんつうか、ゴールデンイーグルスファンの皆さん、大変ですな。
相馬の考え
エルゴラでの野々村芳和による相馬直樹インタビューより抜粋。J1とJ2の違いについてですが、胸にしみます。
相馬「J1って格差が少ないんだよね。意識の中での格差も。明らかに相手が引いてくるってのが少ない。J1だと『ある程度力の差はあるでしょ』って思っても、少なくとも選手は確実に五分でやりたがるのね。サポーターも守ってばかりのサッカーじゃ怒るし。でも、J2だと相手チームの選手も監督もサポーターも引いてくる。そういう意味ではJ2ってのはすごく難しいよね。」
野々村「J2は目標が上しかないからね。とにかく勝ち点を拾っていかないと目標が達成できないからね。J1は2または3チームしか落ちない。そこにはまる可能性はかなり低いんだよね。だから、ある程度の時期まではやりたいことをやるんだよね。」
相馬「でも、ある程度までやりたいことやってるとはまっちゃうんだよね。そこはJ1でも割り切りの早いところが残留する。その割りきりを選手が納得できなくて、チームが守るっての言ってるのに、うまい選手は攻めに行ってそこに穴を作ってやられちゃう。」
野々村「個人でサッカーしてる選手がJ1の方に多いよね。組織としてどう戦うということを分かってない選手が多い」
相馬「チームとしてまとまってないケースがJ1の方が多い。(川崎Fでの)J2では明らかに相手が引いてくるんだよね。そうやって引いてくるチームを崩すのは、相当な力の差がないと簡単じゃない。普通に打ち合ったら5-0くらいの差があっても、引かれちゃったら1点取るのも簡単じゃない。」
昔、在籍した緑のチームのことを言ってるような相馬の発言ですね。へこむ。
高校サッカー決勝
国立に行ってきました。
ついでに、日記風に書くと、朝10時からチケットピアに電話をかけまくって、「紅天女」(わかる人にしかわからないですな)をとろうとしたがとれず。その後、自転車屋へ。新しい自転車を買う。
そして、友人と待ち合わせ、国立へ。1時間ほど前に入ったのですが、その時は4分ほどの入り。そこから、ほぼ満員になりました。さすが決勝。
応援は、いつもの鹿実に、おとなしい野洲。この辺は、伝統の差か。
試合は、前評判どおりの、組織vs個人技の戦い。とはいえ、鹿実の個人技が劣っていたとは思わない。技術をどう使うかという、哲学の違いといった感じ。
開始早々、前線からプレスをかける鹿実、それを技術で突破しようとする野洲。序盤は圧倒的に鹿実。
だが、青木の突破など野洲も徐々にペースを取り戻す。そして、セットプレーから野洲が先制。
さすがの鹿実も慌てだしたのか、急にプレーが雑になり、プレスのかかりも甘くなる。先制点後は、野洲ペースに。
だが、後半。この辺は、やはり地力のあるチームだけあって、建て直しをはかる鹿実。試合開始直後に見せていた、プレスがよみがえる。野洲も個人で突破をはかろうとするが、さすがに2人3人は突破できず。また、得意の細かいパスワークも、攻め手の人数が足りなく分断される。鹿実の猛攻に、野洲もGKを中心に、体をはって守るが、ついに後半34分、同点ゴールを許す。
延長に入っても、鹿実ペースが続く。体力勝負では、さすがに鹿実に分がある。延長後半に入っても、落ちない運動量の鹿実。落ちない闘志の野洲。
延長後半、鹿実DF西岡が、角度のないところからシュート。これを野洲GKがファインセーブ。結果として、これが勝負の分かれ目になった。シュートを打った西岡が足をつってしまい退場。
1人少なく、リベロのいなくなった鹿実の混乱に、野洲がつけこむ。左サイドのDFからサイドチェンジ→ドリブルでとっぱからヒールパス→ヒールパスから右サイドへスルーパス→中央へ折り返し→フリーの瀧川がダイレクトに決める。
最後の最後に、野洲のやりたかったサッカーが爆発。
ロスタイムには、GKも上がって、鹿実は猛攻をかけるが、最後まで集中力をきらさず野洲がしのぎ切る。
いい試合を見させて頂きました。
鹿実の西岡は、優秀選手に選ばれていたけど、悔しかっただろうな。野洲の青木は、ジェフ入り。オシムにみっちり鍛えられて、成長を期待しています。