元アイドル!

吉田豪が、杉浦幸だとか、いとうまい子だとか大沢逸美だといった、元アイドルに聞きまくるインタビュー集。アイドルなんて、相当プロ根性あるか、それか天然しかやっていけないなあと、よくわかります。ほとんどが精神を病んでいるのに、それでも、いまだにテレビに出たい、また出ているのは、人間のどうしようもない性を感じる。
まあ、一応、スポーツ関係ってことで緒方かな子のインタビューを抜粋。

吉田:じゃあ、歌手デビューするなり”学園祭クイーン”として全国の大学を周り、ボデイコン姿でSMつぽいことを歌っていたことにしても、本人としては……。
緒方:だから学園祭とか行くと「もっと積極的にやりなさい!」って言われてたんですけど、私はまだ16歳ぐらいだったので「年上の人たちの前なんだから敬語で話すべきじゃない!」と思って(笑)。でも、イベントではタメ語の方が盛り上がるから無理してやると、すごい変なんです。だから、そのたびに怒られて……。
吉田:無理しながらも、自分なりに男たちを挑発してたんですか?
緒方:それで、ときどきステージから落ちながら(笑)。振り付けが苦手だったので、「ここで間違えたらマネージャーに怒られる!」って、マネージャーの顔色を見ながら振りだけに夢中になってたら…。
吉田:ステージの下に落ちちゃった、と(笑)。
 
当時、『プレステージ』のプロレス特集のとき、佐々木健介さんに突然抱え上げられてパンツが生中継されちゃった事件も印象的でしたけど、といえば、一時は履くパンツの方向性も事務所に決められてたらしいっていう噂を聞きましたよ(笑)。
緒方:後ろにスパンコールで『ハロー・カナコ』って字が書いてあるヤツを履くように言われてました(笑)。あのときも泣きましたね。途中から、『そういうキャラじゃないから、天然ボケで行こうよってことがやっとわかってもらえて、そっちに路線が変わったから良かったですけど(笑)。
吉田:それで、ようやく素が出せるようになったわけですか。
緒方:これから、少しはホントのことが言えるかなって(笑)。それまでは「ヤンキーで、新宿で拾われたことにしなさい」とか、いろんなことを言われてたから。
吉田:あ、そんな中條かな子ストーリーがあったんですか!
緒方:でも、ボロが出るんですよ。私がこんな感じなんで(笑)。取材しててダメだと思ったら、マネージャーが横からフォローして、いかに悪女なのかを言って。
吉田:もしかして、当時の記事で「広島時代の彼氏はみんな不良だった」みたいな話ばかりをしてたのも……。
緒方:はい、そんな事実はなかったです(笑)。……っていうか、そもそもデートすらしたことがない人だったので、きれいなまま東京に来たんですよ。
吉田:「最初に好きになったのが背の高い不良で、次が背の低い不良で」とまで言ってましたけど、もちろんこれも(笑)
緒方:そんな話、私は一切したことないです(笑)
吉田:当時、恋愛に関してはどんな感じだったんですか?「事務所がすごい厳しいので大変だった」みたいなことを、後から言われてましたけど。
緒方:そうですね。マネージャーさんが学校の門まで迎えに来て、家に帰ってからも1時問後に電話で家にいるかどうか確認されてたし、オフの日でも「誰とどこに遊びに行ってもいいですか?」って社長に確認を取らなきゃいけなかったんですよ。「スカート1枚欲しくても、マネージャーさんと一緒に買いに行きなさい」みたいな感じだったので、いまでも電車の乗り方がよくわからなかったりして。だから、悪い虫のつきようがない状態ではありましたね(笑)
吉田:そんな芸能生活を送っていて、よく結婚できましたよね(笑)。
緒方:20歳ぐらいになって、事務所の束縛が緩くなったんですよ。
 
吉田:そして97年3月に芸能界を一時引退しちゃうわけですけど、それまでの芸能生活で一番楽しかったのは?
緒方:やっぱりいろんなところに行かせてもらったことですね。私、仏閣巡りが趣味なので、取材だと一般公開していないお寺の秘宝とか見せてもらえたりするから、「素晴らしいわ!よかった、この仕事してて!」と思って(笑)。あと、日本史が好きなので武将の格好とかさせてもらったときも、すごい嬉しかったですね。
吉田:喜ぶツボがおかしいですよ、絶対(笑)。
あと、やっぱりアニメ方面の話も聞いておきたいんですけど、その手のことは昔から好きだったんですか?
緒方:はい(笑)。だから、ファンの子も「これ面白いから読んでごらん」って言ってマンガくれたりして。
吉田:花島優子さんとは昔からアニメ仲間なんですよね。
緒方:『ねるとん』の特番に出たとき、一番仲良くなったのが花島優子ちゃんで(笑)。理想のタイプの名前を書くとき、私は普通に「尾崎豊」って書いてたんですけど花島優子ちゃんは「キグナス氷河」って書いてたんで、ビックリしてすぐに話しかけて。男の人とじゃなくて、彼女とばかり話をしてましたね(笑)。
吉田:花島優子さんって、アイドルなのに当時から『聖闘士星矢』の同人誌を作ってましたからね。
緒方:そのときも「あなたマンガ好きなの?じゃあ私が描いたの見せてあけるわ」とか言って、バッグから自分の同人誌を出して(笑)。普通は収録後に男のタレントさんと電話番号の交換とかするみたい
なんですけど、私は優子ちゃんとマンガ交換をしてました。それで、「そんなに好きならマンガも描きなさいよ!」「一緒に同人誌を作ろうよ!」って彼女に誘われて(笑)。

吉田:その結果、なぜかそのときじゃなくて結婚後にゆうきかなた名義で『HUNTER×HUNTER』の同人誌を出すまでになるわけですよね(笑)。
緒方:ある番組で優子ちゃんに会って、「私はまだマンガを描いてるけど、かな子は描いてる?」って聞かれて、「日本画しか描いてないけどマンガは好き」って答えたら、また「描きなさいよ!」って。そういえば当時は忙しかったけど、いまなら時間があるので描けるかもしれないなと思って描き出したんです。ただ、もっと真面目にやればよかったと後悔してますね(笑)。
吉田:自分の同人誌を事務所の公式HPで通販する人も珍しいですよね(笑)。もう完売したみたいですけど。
緒方:はい。この前、優子ちゃんに「一緒に売りに行こう」ってコミケに誘われたときも恥ずかしかったですね。すっかり圧倒されて怖気づいて帰って来ました(笑)。彼女はブースも出してるから、行く度にお土産で私のために同人誌を買って送ってくれたりしてくれるんですけど。
吉田:さすがですね、花島さんは(笑)。で、自分で描いた同人誌は、やっぱりホモセクシャルな路線だったんですか?
緒方:一応そういう匂いぐらいは軽くさせつつ(笑)。でも、別に激しい描写はないので大丈夫ですよ!
吉田:あと、そのペンネームの由来っていうのは何なんですか?
緒方:家族の名前を混ぜたんです。「ゆうき」っていうのが子供2人の名前で、「かな」は私で。「た」はおがたの「た」なんですよ。私の中では主人の名前なんですけど、みんなには「入ってないよ、それ!ただの苗字じゃん!」とか言われて(笑)。
吉田:それが.正論ですね(笑)。以前、これからやりたいこととして、「アニメの声優をやりたい」って言われてましたけど。
緒方:はい!それで実際にやらせていただいてとても嬉しかったんですけど。でも、緊張しすぎてあんまり覚えてないんですよ。なので、もう一度、今度は緊張しないで何かやってみたいなと思ってますね。
吉田:そんなに声優をやりたかったんですか、アイドルじゃなくて(笑)。
緒方:だから、いまにして思うともともと問違っていたのかもしれないですね、最初の芸能界の入り方が(笑)。

まあ、こんな感じです。
花島優子の「乙女塾のコンサートで同人誌をうりました」「同人誌つくりは寝ないでやっていた」『アニメージュ』の友達募集コーナーで知り合った人と、元アイドルとなのらないで牛久在住の単なるアニメ好き主婦として同人誌つくりをしている」とかも、かなりきてます。