勝矢寿延

05年Jリーグで最も驚かされたのはC大阪の快進撃だ。だが、後半戦を破竹の勢いで勝ち進んだ裏に元日本代表DF勝矢寿延コーチの熱血指導があったことは、あまり知られていない。
98年に現役引退後、テクニカルディレクターに就任したが、やはり現場の水が合っていた。05年シーズンからコーチとしてグランドに立つと、普段の物腰の柔らかさからは想像できない鬼コーチに変貌した。6月の中断期間に高木フィジカルコーチが骨折してしまった際には、勝矢コーチが急遽、代役に名乗りを上げた。ランニングの先頭に立ち、選手に「地獄」と言わせしめたフィジカル特訓を敢行。この時の貯金が生き、後半戦での快進撃につながった。
最終節でロスタイムに追いつかれ、初優勝を逃した。試合前、「最後まで何が起きるか分からないのが勝負の世界。甘くないですよ」ドーハの悲劇を体験している勝矢コーチは厳しい見方をしていたが、現実となってしまった。だ、これでへこたれる勝矢コーチではない。
「東のラモス、西の勝矢」と評されるほどの熱血漢。06年シーズンはリベンジに向け、さらに選手を徹底的にイジメ上げることになるだろう。

東スポより。セレッソらしい、いい話。