根来、辞めません

根来泰周コミッショナー(72)が、新年から球界改革へ強い意欲を見せた。5日、コミッショナー事務局の仕事始めのあいさつから「野球協約を直して完全なものにしていかなくてはと思っている」と、協約改正に触れた。さらに報道陣に囲まれ「正月は野球協約を読んで過ごしていた」「プロ野球は何のためにあるのか、から議論する必要がある」など語った。
 球界システムの具体的な改革案も言及した。「あくまで私案」とした上で「実行委員会とオーナー会議という二重構造である必要があるのか。両方とも球団の代表者のようで代表者でない感じがする。オーナー会議は最高経営会議として中、長期的な視野で議論。実行委員会は近未来的な議論をすればいいのではないか」と語った。
 コミッショナーの立場には「司法に徹すればいい。三権分立(ぶんりゅう)のようなもの。最高経営会議に専門的な議長を置き、(12球団の)代表者になってもらえばいい」と熱く語った。この案はオーナー会議の中で雑談として語ったこともあるという。「1つの問題だけピンセットで取り上げて改革することはできない。しっかりと議論するべき」。同コミッショナーは昨年のスト突入時に辞任する意向を示していたが、がぜんやる気を見せていた。(ニッカンより)

コミッショナーの立場について、いろいろな考えはあるのでしょうが、根来の考えの酷いところは、選手達の意見をとりいれる機会がないということにつきます。オーナーがコミッショナーを決め、それを選手会が承認という、メジャーのような形がいいかは異論はあるでしょうが、少なくとも選手会の意見を取り入れるということに関しては、日本よりマシでしょう。
結局、彼の言葉からは、オーナー会議(経営者側)主導の球界改革という考えが、よく現れている。だから、ストの際に、ストは違法だからという秘密文章を経営者側にばら撒くから、ストという不祥事を起こすんだよ。これが、根来の限界だと思うんですよね。新聞の再販制度を守った功績で、読売にコミッショナーにしてもらった男の。
また、彼は、司法の人間としても、問題ありです。司法というのは、法律を司るとはいえ、法律の不備うんぬんを言う権利はないのです。つまり、彼は自ら言うとおりなら、「憲法改正」を訴える判事という、三権分立の思想から最も離れた存在になります。これが、日本の司法の考えかと思うと、頭が痛いです。
根来の考えでいけば、立法=オーナー会議、行政=実行委員会、、司法=コミッショナーになるのでしょうが、そのチェック機構はどうなるのでしょう。立法と行政は事実上一体で、司法は立法、行政の意のまま。これでは、三権分立の思想に反しますよね。そして、恐るべきことに、今年のオーナー会議の議長は、あの宮内オーナーなんですよ。宮内内閣がどんなに酷いことをしても、それを止める機関がない(司法であるコミッショナーが明らかに中立ではないので)ということになります。選手会がどこまで口を出すかという問題はありますが、そのチェック機構としての役割は与えていくべきだと思います。
で、今まで私が書いてきた記事で誤りがありました。
コミッショナーは辞任した場合、退職金が出ないそうです。あと1年の任期満了に、やる気を見せるのもわかりますね。