なぜ、1リーグはいけないの?

何度か書いてますが、私は、1リーグか2リーグかよりも、球団削減には反対、増えた方がいいって考えです。日本のように、球団の人気や放映回数が偏っているところでは、1リーグのメリットは結構あります。
1)パリーグ球団の露出が増えること。
2)パリーグ球団の放映権料が増えること。
そして、1リーグ制の最大のメリットは、
3)セ、パのつまらない争いがなくなる
ことでしょう。野崎のように、セだけの利権を守りたいという輩はなくなります。そして、そのために、
4)迅速な処理ができ、また交渉窓口が1つになるため、海外との交流も進みやすくなる、改革のスピードが上がる
というメリットはあります。
では、デメリットは、これは、よく言われているように
a)日本シリーズがつまらなくなる。
b)オールスターがつまらなくなる。
これは、他のHPでもよく言われているので、いいでしょう。僕が、むしろ問題とするのは、
c)選択の幅が狭くなる
d)1リーグ12球団以上で(合併は反対なので)おもしろいか?
これにつきます。パリーグも見ている野球ファンにとって、セのペナントがつまなければ、パを見ようという(または逆)、選択ができなくなることでしょう。パリーグ人気の最も上がった、80年代後半。近鉄と西武の激闘は、印象深く残っています。だが、その時のセは、大差のついたペナントレースでした。選択の幅があれば、どちらかがこけても片方で救うことができると思います。
a、b、そしてdに関しては、なんとか方法はあると思います。
どうも、海外サッカー厨の私としては、シリーズやオールスターがなくてもいいのではないかと思ってしまいます。実際、シリーズはともかく、今のオールスターの現状を見ていると、必ずしもオールスターを楽しみにしているファンがどこまでいるのか?と、思ってしまうんですよね。また、日本シリーズよりも、欧州だけではなくアメリカを見ても、1リーグ、2リーグに関わらずプレイオフがある方がいいのではと思ってしまいます。
ヨーロッパサッカーの国内リーグでは、プレイオフ自体がなくても、チャンピオンズリーグ、UEFAカップという、ヨーロッパサッカー全体のプレイオフ(みたいなもの)があることが、ヨーロッパサッカー最大の魅力ではないでしょうか。だから、1位と大差のついたチームでも、UEFAカップ圏内、チャンピオンズリーグ圏内への挑戦(ついでに、降格圏内からの脱出)というモチベーションを保つ要素があります。これは、中堅チームのモチベーションを保てないJリーグにもいいたいことなんですがね。
そして、このことは、dにつながります。
パリーグが4球団なら1リーグって話がでてますが、例えば、MLBでは4チームの地区もあります。上手く、他と試合を組めれば、地区内(リーグ内)のチーム数が少ない事が、決してハンデにならないと思います。
むしろ、僕は聞きたいですね。4チームでやると、対戦するチーム数が少なくてつまらなくなるから1リーグだと言うなら、なぜ、全体の球団数を減らすのですか?とね。
リーグの中の球団数が多くて、優勝しか楽しみがないリーグはつまらない。の、例がJ1だと思います(失礼。だが、2〜3球団が昇格できるJ2の方が、最後には盛り上がっていると思います)。ヨーロッパのサッカーリーグが、先ほど書いたように、ヨーロッパ全体のプレイオフを行うことで、盛り上げているのに比べ、今のJでは、中堅チームの目標が見つけづらいという問題があります。
だから、1リーグ、2リーグに関わらず、プロ野球で、プレイオフ、できたらアジア圏プレイオフをやれれば、上手くすれば日本シリーズより盛り上がることもできると思います。だから、日本シリーズがつまらなくなるから2リーグだ!という、考えには、あまり賛成できません。
 
このように、1リーグ、2リーグともメリット、デメリットはあります。
だが、2リーグ制を選ぶなら、MLBのようにインターリーグの導入は必要だと思います。また、セ、パ一体となって、改革に取り組む必要があります。野崎案では、このセパの垣根をなくすことが抜けており、だからこそ、ダメダと思う部分なんですがね。
私の理想は、インターリーグを導入して、4年ごとに、セとパのチームを入れ替えることです。これにより、目新しい対戦を常にファンに提供できるからです。だから、巨人のパ移動はむしろ賛成かも。
 
少し話がずれましたが、1リーグ=悪、とは、私はとても思えません。
だが、今の流れでの1リーグ結成には、反対します。(今の状態での)最大の1リーグのデメリットがあるからです。それは、
e)巨人の権力がさらに高まる。
これこそが、1リーグの最大のデメリットであり、多くのファンが無意識的に感じている、だからこそ1リーグ反対の声が高い原因ではないでしょうか。久万オーナーが、「お布施」という言葉を使っているとおり、巨人とやるメリットってのはいまだあり、1リーグになれば、パリーグ球団への巨人の影響力がさらに増し、さらに巨人の権力が高まるのは明らかでしょう。
1リーグにすることのメリットである、意思決定、実行の迅速化が、既得利権を守るために使われるのは勘弁して欲しいものです。結局、巨人にとって、プロ野球は1リーグ6球団で、十分なんですよ。12球団が、10球団、そして8球団、最後には6球団ということになってしまうのではないでしょうか。
 
私は、日本プロ野球を、巨人幕府体制と言っていますが、それでいくなら今回の1リーグ構想は、上知令ですね。海外からの圧力に対抗するために、江戸、大阪の十里四方と新潟一部を、幕府の直轄地にし、外敵が攻めてきても守りやすく、また幕府収入のアップを狙ったものが上知令ですが、ナベツネ1リーグ制度は、巨人の権勢が及ぶチームを増やし巨人がやりやすいようにして、MLBの日本進出という外敵に対抗するための手段と言えましょう。上知令は、各藩の猛烈な反対をうけて頓挫したのですが、さて巨人幕府のほうはどうでしょう?だが、どちらにしても言えているのが、天保時代の徳川幕府も、今の巨人幕府も、致命的な構造欠陥があり、根本的な改革をしない限り、外敵に対抗できないのは確かでしょう。
 
だからこそ、根本的な改革をしないまま1リーグ制を行おうとする、今の流れには反対します。
決して、1リーグ制が悪いわけではなく、根本的な改革をしないまま日本プロ野球の欠陥をさらに増すような制度には、反対です。
また、球団合併に反対するのも、根本的な改革をしないまま日本プロ野球の欠陥をさらに増すような流れだからです。構造改革を行って、それでも12球団以上の球団維持を行えないのなら、それは仕方ないのですがね。

朝生は見事に寝落ち。最近、パソコンと電気をつけたまま寝ているなぁ。