自問自答編

Q:近鉄の選手年棒が高すぎと言われているが?
A:観客動員とか広告戦略で近鉄が文句を言われるのは当然だが、選手の年棒について文句を言われるのはかわいそうだなと思う。
欧州サッカーみたいに開かれたリーグだったら、自由契約で、年棒や選手を各チームの経済状況にあわせていけばいいが、アメリカスポーツやプロ野球みたいな閉じられたリーグではそうはいかない。
近鉄選手の年棒について文句を言う人に聞きたいが、ドラフト制という選手がチームを選べないのに、チームによって年棒格差があるのはおかしくないですか?
日本プロ野球という会社にはいって、各チームという部署にまわされるというのが、ドラフト制だと思う。部署ごとに人員の偏りがあっては、会社がうまくまわっていかないから、そうやっているのだが、同じ会社で明らかに社員の給料が違うのはまずいでしょ。巨人の10勝投手が1億円で、近鉄の同じ成績の投手が3000万円(各球団の売上比率でいえばそうなる)てのはおかしいし、なによりも選手会がだまっていないはずです。どこかが、年棒を上げたら、ほかも従うしかないのです。
それを、防ぐためにオーナー同士で協約(サラリーキャップなど)を結ぶのだが、日本では、年棒を吊り上げている球団の言うことに右に習えなので、実質無理。
もし、近鉄が、経営にあわせて選手の年棒を5割カットとかしたら、選手会やオーナー会議でつるしあげをくらい、最終的には運営の能力なしで結局、球団追放になるだけでしょう。だから、近鉄だけ年棒をあからさまにさげるわけにはいかないのです。
日本プロ野球年棒が高いとは僕も思います。だが、それを抑えるには1球団だけではだめで、各球団の総意と選手会の承認がないと変えようがないでしょう。で、そういうのを話し合うためのオーナー会議だったりするんだが、日本は、何度も書いてますが、巨人幕府状態なので、ほぼ不可能。

閉じられたリーグと開かれたリーグの違いは、国家から都市が生まれたアメリカと、都市の集合体が国家となった欧州の違いだと思う。日本の場合、徳川時代封建制が日本独自のいびつな形なので、その影響がでているなと思う。野球では閉じられたリーグなのに、明らかに1球団の力が強いのを認めているし、Jリーグでは開かれたリーグなのに、協会の力が大きかったりしている。どっちを選んでいくのかわかりませんが、近鉄年棒に文句を言うのは、欧州とアメリカのいいところどりという、やはり日本人的なものを感じます。