快楽亭ブラック

BUBKAより、倉田真由美渡辺洋香による快楽亭ブラックインタビュー。芸人の深い業を感じます。

快楽亭:借金とか、離婚とがで騒がれましたけど、この4日間はハードでした!3日徹夜してるんですよ、肉体労働に従事してたから。
くらたま:3日徹夜??
ヨーコ:肉体労働はお金のためにしてたんですか?
快楽亭:そうなんですよ。借金返すためにどんな仕事も断りません、って宣言しちゃったら、最初に釆たのがホモ映画の出演交渉(笑)。
くらたま:わーー!
快楽亭:でも、断れねーだろうと。「どんな『仕事』もって言っちゃったもんだから」って。
くらたま:男らしい!!何したの何したの?
快楽亭:ゲイですよ(笑)。話は、売れないシナリオライター志望の青年が、ゲイ物のシナリオを書くために全員ゲイの飯場に行<。
くらたま:ありえねーよ!
快楽亭:で、何廣もレイプされて、それでホモセックスの良さを知って、一本の脚本を仕上げると。
くらたま:無茶苦茶だねえ。で、ブラックさんはレイプされる役?する役?
快楽亭:飯場のホモたちの中で、唯一、気が弱い男で、主人公に直接モーションがかけられなかった役。でも、最後ホモセックスに目覚めた主人公と結ぼれる。だからまあヒロインみたいなもの(笑)。
ヨーコ:あー、ヒロインだ!
くらたま:ブラックさん結ばれたの?それで(笑)。
快楽亭:結ぱれちゃった(笑)。
くらたま:そういうのってどこまでやるの?
快楽亭:ビデオと違って映画ですから、“こっこ”ですけどね。一番最初に乱交シーンを撮ったんですよ。
くらたま:男だらけの?
快楽亭:フェラチオされながら、後ろのヤツとキスするっていう。その相手がプロレスラーの高山善廣みたいなヤツなんですよ。そいつにいきなりキスされたときはねー。
ヨーコ:キスはやだねー。
快楽亭:すっごい気持ち悪くなって慌てて顔を背けたら、ヤツは大男なもんだから、すごい力でもってまた顔を戻されて迫って<るんですよ。
くらたま:ブラックさんに?
快楽亭:そうそう。思わすもう、「オエェ」ってなっちゃって(笑)。でも、監督もカメラマンもNG出さなかったから、どんな絵になってるかちょっとアフレコとか試写が楽しみ。
くらたま:体張ってるねー、借金返すために。ところで借金はなんで作っちゃったの?
快楽亭:いろいろですね。ある目突然急に仕事がな<なっちゃったっていうのと、競馬と。
くらたま:競馬かー。競馬はねー、天井知らずですよねー。その、ある日突然仕事がなくなったのはどうして?
快楽亭:なんででしょうね。いろいろあるんだよね(笑)。まず落語が過激すぎて、処々方々出入り禁止になって。
くらたま:そうなんだー。ブラックさんの落語面白いのに。
快楽亭:うちの近所にね、祭り湯っていう健康ランドがあるんですよ。そこに演芸場があって、そこに呼ばれて、ギャラは5万円トッパライ、タダでお風呂入れてくれるから重宝してたんですよ。で、いつもは古典落語やって。そしたらある年の夏に、急に『耳無し芳=のパロディで『マラ無し芳一」というのをやりだしたんですよ。芳一は琵琶に乗せて源平合戦を語ったわけだけど、あたしの芳一が語るのは裏源平含戦。安徳天皇の母親・建礼門院徳子は海に身を投じて源氏に助けられっていうのは正史。でも、その後源義経が夜這いに行くという話が昔からあるんですよ。
くらたま:そうなんですか
快楽亭:日本の裏文学で、それをそのまんま芳一が語る物語にして、前の皇后陛下だから下々のセックスを何もしらなくて、指入れられるのも知らなくて「なんていうことを!わらわのそこに顔をつけてなぜべろべろ舌でなめまわすのですか、汚らわしい」とやるわけです。
くらたま:ウワーやらしい
快楽亭:で、最後はワンワンスタイルにして次第に感じていって「あーわたしは今まで何も知りませんでした。これが本当のオマ○コなんですねー」って絶叫する。これ、元ねたはにっかつロマンポルノ全盛期に神代辰巳が時代劇ポルノ大作で撮った「壇ノ浦夜枕合戦」で最後にヒロインが「これが本当のオマ○コなんですねー」って絶叫する作品のパロディーでもあって。
くらたま:へぇー初めて知りました。で、それをしてたら?
快楽亭:やるたびに練れてうまくなるじゃないですか。「おお、いいなあ」と思って一夏ずっとやってて、9月23日秋分の日ですよ。客も丁度男ばかりだから、「今年のやり収めで」と思ってやりだして、
いよいよクライマックスってところで、湯上りのお母さんが5,6歳の女の子連れてはいってきちゃったの。

ヨーコ:ヤバイー
快楽亭:わたしも一瞬そう思いましたけど、もうちょっとでサゲだからまあいいかーと思って、「これが本当のオマ○コなんですねー」ってやったら主催者大感動して「いやーこれを待ってたんですよ!この調子で来月からもよろしくお願いします」って握手求められて、それから仕事が全然来な<なった(笑)。後で聞いたら、その母親が帰りにフロントに怒鳴り込んで、「子連れで来てるのに子どもに聞かせられないような卑狼な言語を発する芸人をなぜおたくは使うんですかー」。フロントは「お客様、私は良くわからないんですがお客様がお怒りになるような卑猥言語は一体なんていったんでございます?」
「そんなこと私がいえるわけがないでしょう!」。余計、怒っちゃったんだけど、小さな女の子が「お
母さん、あのおじちゃんオマ○コって言ってたよ」って(笑)。

くらたま:なるほどねー。それは確かにね、公共の場では厳しいかもしれない。もうちょっと違う場所だったらねー。
快楽亭:でも今寄席でも下ネタ、ダメなとこは増えました。で、それがきっかけになったのか、不思議にほかの仕事もドンドン減って。
くらたま:でも競馬はやめず、でしょ?
ヨーコ:借金が2000万でしたっけ
快楽亭:まあそういうことになってますね。自分じゃあ1500万って言ったんですけど、まわりが「ほんとは2500万あるんでしょ?」って、めんどくさいから、そうだね、とかって。
くらたま:そういう感じかあ。でもいったん収入が滞るとちょっと返しづらい金額ですよね。利子だけでも相当、いっちゃうでしょ。
快楽亭:いちばんおバカだったのが、サラ金の返済に詰まって闇金に手を出して。
くらたま:それはおバカですわ。
快楽亭:で、最終的に闇金にも困って、仲間とか友達とかから借り倒して、どうにもならなくなって弁護士に相談したら、闇金は払わなくていい、サラ金も自己破産するほどじゃないから、債務整理しようって、あとはまぁ、人から借りた利子のない金だから、それほど。
くらたま:切羽詰まった金ではないわけですね。談志さんにもお借りしてるんですか?
快楽亭:借金の相談に行った時に『文七元結』っていう落語の話をし出して。これは、父親の借金のために娘が吉原に身を売る話で、「お前の子供の秀次郎を売るわけにいかねえしな」って、遠まわしに、「お前には金貨さないよ」って(笑)。
くらたま:なるほどさすが、談志師匠。
ヨーコ:でも儲かるときは儲かってたわけでしょ?
快楽亭:うん。だから、もっと一発で返そうと(笑)。
くらたま:競馬やってる人はみんなそれを夢見てるからね。
快楽亭:途中まではいくんですけどね。つい先日もね、200万近くにはなったんですよ。土曜日の午後2時の時点では200万あったんだけど、日曜目の夕方には9万円に(笑)。
くらたま:200万が9万円に?ダメだー。200万円になったときにやめないと!
ヨーコ:いくらが200万円になったの?
快楽亭:2,30万円じゃないですか。
くらたま:やめようよ!ほんとうやめようよ!
ヨーコ:やめなきゃダメですよ!
快楽亭:でもねー、こういうことは一生に一度しかない、ものすごいツイた日かもしれないからって(笑)
ヨーコ:なるほどね。20万円を200万、200万を2000万円って思ったんだ。
くらたま:ダメだ、博打打ちってほんとにそこがダメなんだよねー
快楽亭:でも、その翌週の日曜にはまた100万に増やして、それでまたダメで、最終的に何10円(笑)
ヨーコ:電車賃もない、みたいな。
くらたま:しかしあれですかね、落語に従事する人は人生を持ち崩す人が多いのかなあ。
ヨーコ:ブラックさんは2回離婚してるんですよね?
快楽亭:正確に言うとうとバツ2.5(笑)。
くらたま:2.5なんだ。でも確かにね、落語家って発展家が多いらしいですよね。
快楽亭:でもね、僕らの2代前の落語家さんの挨拶は「まだ、前のカミさんかい?」っていうのが。
ヨーコ:よくあるよね、「まだ刺されてないの?」とか。
くらたま:それはアナタの業界だけ!よくあるよね、って無いから。
快楽亭:まあ、でも離婚すると気持ちいい(笑)。する前は愛想をつかされたということにプライドが耐えられなかったし、カミさんだけじゃなくて子供と別れるのも寂しかったし、すごい独身生活におびえていたんですが、いざ戻ってみると「あ、快楽亭ブラックってこんなやつなんだ!」って。
くらたま:そういうのってありますよね。私も離婚した時、すごい重圧から解放された気分だったよね。
ヨーコ:立川流は、なんで除名になったの?
快楽亭:談志もホントは何の問題にもしないはずだったのに、ただ吉川潮さんという立川流顧問という小説家が、わたしのカミサンの肩を持って。彼の正義感からすると、わたしの借金はダメらしい。まあ彼にも30万借りてますけど(笑)。で、彼の正義感からすると、わたしを破門にしたいと。でも、家元にすれぼ「問題になるようなことか?芸人としてはむしろ当たり前で、落語は人間の業の肯定で、アイツはまんまやってるんじゃないか」となる。ただ、家元は、自分が優しい人間だと思われるのがいちばん嫌だから、自分が許したってことじゃな<て、他人が許した、それを受け入れようと思って、「じゃあ吉川<ん、あんたは顧問なんだから任せるわ」って言われて、破門させられな<なっちゃって、除名と。
くらたま:なんだかねえー。どうなんですか?いま仕事量とか仕事内容って。
快楽亭:むしろ逆に今の状態が面白いというんで、仕事の引きは来てるし。ただ、借金返済のためにはどんな仕事も引き受けますって言ったでしょ。唯一断ったのが、寄席の出演。
ヨーコ:えー、本業は断るの?
快楽亭:だってねギャラがたぶん800円とかだろうなーと思ったから。
くらたま:800円!?そんなことあるの?
快楽亭:ある(笑)。借金返済のためだったら仕事は断らないって名目だから、あまりにも安い仕事だから断ってもいいよなーと。あとホモ映画ももう。安いし、キスされて「オエー」っていうのは。ところで、お2人はフェラチオとかは?
くらたま:はーー、何言ってんの!?
快楽亭:僕ダメなんですよ。フェラチオ苦手なの。
くらたま:意昧わかんない。するのが?
快楽亭:するのが。
くらたま:当たり前じゃん(笑)!どんな話だ。
快楽亭:いやでも風俗嬢でも苦手な子がいて、すごく気が合って握手した子がいたけど(笑)
くらたま中村うさぎちゃんもすこく苦手で、結構好きだった男と、そういうことになって、すこく頑張ったんだけど、エヅいちゃって、ケポって吐いたって(笑)。
快楽亭:でしょ、でしょ!オレそのタイプ。
くらたま:どんなタイプだ(笑)!
快楽亭:もちろんオレはフェラチオはしたことないんだよ?
ヨーコ:体質が向いてないってこと?.
快楽亭:女王様のぺニスバンドで、むせちゃう。
ヨーコ:なに口に入れてるの(笑)!
くらたま:面自いよね。そういうことをいきなり訊かれて、「おれダメなんですよ」とか言うから、されるのがダメなのかと思うじゃない。
ヨーコ:男性なんだから。するのがダメって当たり前じゃん!
快楽亭:そうでもないですよ、僕の友達で、ホモビデオに出て、フェラチオして相手の男優が勃起した時に「オレってフェラチオうまいんじゃん」って自信持ったって(笑)。
ヨーコ:ヘー、くらたまは何が得意?
くらたま:知らねーよ、そんなの(笑)!大体得意かどうかなんて相手が決めることだよ。
快楽亭:どうされると気持ちいいんですか?
くらたま:また、そんな質問かよ、オマエーー!
ヨーコ:なんかブラックさん元気そうだね(笑)。
くらたま:結局芸人はそれでいいんですよ!
快楽亭:まあ、このまま借金とともに遊ぴ暮らしますよ(笑)。

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