教えてください富野です

ガンダムエースで、樋口真嗣が、「教えてください。富野です」の表紙がどうできあがったか書いているのだが、あまりにも富野らしいので紹介。

富野神の対談集の装丁依頼を受けるとすぐさ神降臨。渾身の自信作にまさかのダメ出しを喰らったオレ。喰らったメールがまた凹む。
聞きたい、教えて欲しいという意味のポーズでないのが気に入りません。これでは脅かしている、または、桐喝にみえます。手のひらの向きが、身体にむかう方向でなければいけません。表情ももっと知りたい、教えて欲しい、という哀願がなければなりません。演出的指導が不適切です。直して下さい。」
そもそもは写真にするつもりだった。神が日頃鍛えるために通われているプールで撮影するための説得材料として描いたラフが、表紙の方向性を決めてしまったのだ。
とはいえ自分のラフではあまりにも心許ないので限られた資料を元にドローングを作る事にした。
普段はデジタルマットペインティングを描いている連中だが、元々は芸大の油絵科だからお手の物o。はいえ無理して特急で仕上げてもらったのだ。それが根本的なレベルでのダメ出し。しかも「演出的指導が不適切」。致命傷だ。でも凹んでばかり入られない。なんせ締め切り今日だからねッ!
別件で富野神と鼎談企画があるのでその時に「じゃあドレならいいのよ?」と丁重に問いつめて入った
焼鳥屋の入り口で実演していただいた。
コンセントレーションが突然天を仰いで「教えて下さいっっ!」「教えてッ!」「ンああああああッ」見えぬ何かに向かってうなり、叫ぶその姿に私は震えた!魂が震えた!ついでにカメラを持つ手も震えた。おかげで手ブレ。失格だ。それでも本物の叫びを手に入れた。
が、よく見てみるとどこかで見た事があるぞ。おんなじじゃん。ということで現状のまま進めました。

というわけで、その時の富野の教えて欲しいポーズ。