野球小僧2月号

ryu482005-01-12

オリックスの前監督である伊原と、最後の近鉄の監督である梨田が、楽天の選手について語っているのだが、あまりにも2人の性格が違いすぎて面白いので紹介。
・シーズンの順位
伊原:「普通にいけば最下位争い」
梨田:「はっきりいって、このメンバーで優勝というのはないと思います。笑われてしまうのがオチです。ただ、今のパリーグは、3位までに入ればプレーオフに進出できる仕組みです。プレーオフがなければどんなに弱くとも『やる限りは優勝です!』と叫ばなくてはいけないけど、そうではない。『まあ、3位くらいで』と最初っから宣言してしまえばいい。」
・先発陣
伊原:「やっぱり相当厳しいね。金田、小倉、谷中、川尻、高村、小池、小林…はっきり言わせて貰って、今年限り、あるいは来年までだろう、という選手が並んでいる」
梨田:「先発ピッチャーの数が足りないし、年齢的にもけっこういってるピッチャーが目につきますよね。ざっと見ても35,34,33,35,35,35,38・・・でも近鉄から行った川尻なんかは35歳ですけど、十分先発でいけると思いますよ。」
・中継ぎ、抑え
伊原「僕は当初の予定では来季もオリックスの監督を続けるつもりだったから、夏場から中村GMとは来季の戦力について話を重ねていたんです。その中でプロテクトメンバーについても大枠を決めていたんだけど、僕の構想では戸叶、福盛、吉田の3人は残す予定だった。この3人がいれば試合を中盤で作れるからね。」
梨田:「福盛と並んで、抑えの候補にあげたいのが矢野。彼も実にいいボールを繰り出すけど、やはりコントロールが課題。(略)矢野なんて、はまったらすごいピッチングを展開しますからね。(略)『おまえすごいなぁ!自信持てよ!』といんだけど、好調が長続きしないんですよ…」
・ブレーク期待投手
伊原:「まず朝井。あとは有銘」
梨田:「近鉄の頃から有銘と佐藤にはすごく期待していた。(朝井は)力強い球を放りますねぇ。(山村は)新しい環境で役割を見出せば、かなりやってくれそうな予感がします。」
・捕手
伊原:「藤井でしょ。バッティングは弱いですけど、今年もかなりマスクを被ってますし、守りはそれほど心配ない」
梨田:「一番手はやはり藤井だと思います。04年シーズンを通して、ものすごく成長しましたよ。スローイングも随分とよくなったし、バッティングもしぶとくなった。04年の経験を生かしてくれれば、05年はさらに楽しみ。まだまだ伸びる選手です」
・内野陣
伊原:「吉岡が復活してファーストで力通りに働ければ、これは大きな戦力。セカンドは大島あたり。足と肩は落ちてますけど、バッティングはまだしぶといものを持っている。斉藤は今年そこそこ結果を出したし、ここではショートでしょう。僕なんか見る目線が高いから、彼のショートの動きには満足してなかったけど、無難にはこなせる。サードは山下でいくんじゃないですか。(期待したいのは)坂という選手。これを僕は残そうと思っていた。」
梨田:「吉岡のアキレス腱の具合は気になります。最終戦にピンチヒッターで使いましたが、まだちょっと厳しそうな感じでしたからね。足の状態だけです。
(山下は)彼はファームでは凄いですからねぇ、でも1軍にいた来たら別人になっちゃう。でもこういう選手は、環境がかわってのびのびとやらせると、ぐんと伸びる気がしますね。ものすごく面白い存在です。
こうして見ると、ショートができる選手が少ないのかなぁ。斉藤、前田あたりになりますか。
あ、坂って選手は楽しみですよ。今シーズンもファームからは『面白い楽しみな選手がいますから』という報告を随時うけていた。」
・外野陣
伊原:「決まっているのはライトの磯部だけ。あとは、川口がね。これが上手く変わってレフトかDHに入れば打線に厚みが出る。鷹野は左ピッチャーと、ちょっと力が落ちる投手に対しては素晴らしいバッティングを見せる。竜太郎もあとちょっとでレギュラーを獲れるところまで来ているんだけど。もうちよっと足があればねぇ…。
センターは森谷でしょうね。そうしないと足がまったく使えないメンバーになってしまう。他の選手との兼ね合いがあっても森谷は何とかメンバーに入れたいですね。」
梨田:「川口なんて、外野のレギュラーをとらなくちゃいけない選手です。あと竜太郎も、実に動物的な魅力あるバッティングをするし、鷹野もいい。鷹野は右打者ですが、左投手よりも右投手のほうが得意です。オリックスにいた具なんかには、からっきしでしたからねぇ。
森谷は盗塁ということに関しての能力はナンバーワンでしょう。僕が監督のときも、もっと使いたい選手だった。ただね、アウトカウントやボールカウントを間違えたり、サインを見落としたり間違えたりといった凡ミスが、すごく多い選手なんです。要は、取り組み方、考えが甘いんです。その悪い癖については僕も散々いってきたし、コーチもいってるんだろうけども、最後は本人の感覚だからね。本人が同感じて、どう取り組むしかないですから。本当にね、いくら考えても魅力がありすぎる選手ですから」
 
伊原が欠点から入るのに対し、梨田は長所から入る見方をしていますね。特に、森谷や川口など、近鉄の選手に対して熱く語る梨田は好きだ。伊原と、梨田の監督としての能力は、僕は梨田の方が上だと思うけど、選手に対する考えや愛が最大の魅力だと思う。