落合監督「特例認めるな」井川をバッサリ

阪神井川の問題に言及。「なぜ騒ぎになっているの? 球団がだめと言ったらだめなんだろ? 簡単なこと。特例は絶対に認めちゃいけないんだ。ルールを破ったら野球ができなくなるということがわかっているのか」と語気を強めた。
それでもなお、井川がメジャーに固執するというのであれば「これまでもらった年俸や契約金を球団に返してからいくべきだ」と言い放った。

根来コミッショナーにもかみついた。「コミッショナーには野球協約の最初に書いてあることを読め! と言いたい。権限があると書いてあるんだから『オレに権限はない』なんて言えないはず。球界がおかしいなら、今すぐ野球協約を全部変えてもらいたい」と語った。

根来に関しては、昨日の続きで、もう少し書きますが、選手会は、ストしか自分達の意見を伝える手段がなかったということが一番の問題だと思います。合併騒動の際に、選手会は話し合いの場を要求しましたが受け入れられず、やっと世論の後押しをうけて話し合いをしても、話し合いの結果が球界再編の動きに関係ないと位置づけられました。結局、ストライキしか、選手会の意思を伝える手段がなかったことが、ストライキをおこさせてしまったといえます。
歴史で権力者の”暗殺”がでてきますが、結局、暗殺しか、権力者を変える手段がなかったことに対する悲劇とも言える訳で(だから、JFK暗殺は異色中の異色)、選手会のストと同じ問題だと言えるんですよね。
例えば、コミッショナー就任に対する承認権、選手会と経営者側が公的に話し合える(その決議には拘束権がある)場を作るなど、スト以外に選手会に権利を与えていかないと、またストが起こる可能性は高いと思います。
実際に、岩隈の件では、球団側が選手会と話して決めた、合併球団の選手には合併球団のプロテクト枠から外れることができるという権利に対して、公的な文章に残していないからと、経営者側は反故にしたわけで、本来、コミッショナーが制裁するべきは、選手会との話し合いを反故にし、球界のイメージを貶めたオリックス球団にあるわけなんですが、コミッショナーは何もしない。
これが、彼の言う、司法の実態なんでしょうね。
結局、根来はストを起してしまったことに対して何の反省もしていないわけで、結果に対しては無責任な官僚気質しか(90年代の経済戦争の敗北に対して誰が責任とりましたか?2千円札の失敗は?)彼から見えてこない。
いや、もしかしたら、彼は野球界について凄い考えているかもしれませんが、はっきり言いまして、コミッショナーが代われば、野球界は変わった!と、ファンに対して強烈にアピールすることができるのは間違いないわけで、その点でも、早く辞めて欲しいのですがね。
 
井川に関しては、落合ほど強くは言えませんが、井川に悪い面があると思っています。
まず、井川と岩隈を一緒にしている報道があるのが、信じられません。岩隈は、選手会が戦って勝ち得た権利(合併球団の選手に関し、希望すればプロテクトから逃れる)の使用を求めただけで、決してわがままではないのです。
井川の場合は、ポスティングを求めているわけですが、ポスティングを使用する権利はありますが、その権利は球団の許可のもとに行うということになっているので、球団との話し合いが必要になってくるわけです。
もちろん、今のポスティングには問題があります。
でも、だったら、なぜ、彼はその事について言及しなかったのでしょう。
人間は組織に所属せざるを得ない以上、組織のルールと個人の葛藤はあるわけで、その組織のルールを変えていくか、そのルールを破るか、それか諦めるかになるわけです。
例えば、上原は、球団に睨まれるのを覚悟の上で、ポスティングシステムの変更やFA権の短縮を、はっきりと訴えています。確かに、まだルールは変わっていませんが、僕は上原の姿勢というのは、正しいと思うのですよ。また、松坂は、1年後ということで、球団と話し合っています。野茂の場合は、ルールを破ることになりました。だが、この時はポスティングもFAによるメジャーへの移籍もできず、任意引退という、ルール破りの道しかなかったわけです。そして、野茂の起した行動で、ポスティングやFAでの移籍という道ができた。
だが、井川の場合は、少なくとも僕は、上原のようにルールを変えようと動いたわけでもなく、また松坂のように以前から球団と話し合った形跡はなく、去年のシーズンオフになって、突然、気まぐれのようにメジャー移籍を訴えたわけです。
これでは、球団に理解を求めるのは不可能でしょう。なによりも、彼自身の言葉が伝わってこないのも問題。自身のHPで、言っていましたが、あくまでネットという多くの野球ファンが見ないところで言っているわけです。理解を求めたいというのなら、なぜ、もっと行動しないのか不思議なんですよね。ネットという狭い世界で意見を言って、球団はわかってくれないってのは、そりゃ当然ですよ。
代理人を通すのは当然の権利ですが、今週末にやっと球団との2回目の交渉に入るわけで、球団やファンが理解できないのは当然だと思うんですよね。阪神としても、井川を認めてしまったら、他の球団に迷惑がかかることになるわけで、認められないし、認めるべきではないと、僕は思う。極端な話、キャンプ前に、突然ポスティングさせて下さい!ってのも、認めることになってしまいます。普通に社会人やっていたら、1ヶ月前以上に、会社に伝えるのは当然ですし、ポスティングを訴える時期の線引きもしていくべきではないかと思います。もちろん、これは井川以降について考えるべきであって、井川には直接関係ありませんが。
井川に関して思うのは、やることちゃんとやろうよということです。本当にメジャーに行きたいという気持ちがあったのなら、なぜ、もっと球団に早く言わなかったの、もう、この時期になってしまったら、悪例を作らないようにと、球団が認めないのは当然じゃないの。
球団の許可が必要というルールなんだし、球団やファンに自分の意思や考えを訴えないで、認められようとするのは無理だし、それは幼稚だよということです。
落合は、自身で、統一契約書の不備について何度も公の場で主張してきたわけで、やるべきことはやってるんですよね。