その裏で何が

ニッカンスポーツで、球界再編騒動を検証するという記事がはじまりました。
今日は、9/22の出来事について。

ツルの一声だった。9月22日。名古屋市内で開催された労組・日本プロ野球選手会とNPBとの労使協議。
18日に史上初のストという最悪の事態を招き、労使関係は泥沼化の様相を呈していた。平行線をたどった交渉は、あることを契機に急旋回した。その日の、西武星野代表(現オーナー代行)の様子を、ある在阪パリーグ理事が振り返る。「あの日、星野さんがそわそわしだしたので、なんかあるのかなと思った」
新規参入の時期をめぐり、選手会側はセ6、パ6を維持するべく「来期」にこだわった。一方、NPB側は「来期以降」に執着。両者の”溝”は埋まらずストに至っていた。この週末(25,26日)のストも避けられない可能性があった。だが、22日に西武が舞台裏でみせた動きによって、流れは180度方向転換する。
午後1時過ぎだった。選手会側といったん別れた別室で、星野代表から各理事に報告がされた。
「うちのオーナー(堤氏)が三木谷社長楽天)と電話で話した。西武としては、楽天の参入を認める姿勢だ…」
楽天は1週間前の15日に新規参入に名乗りを上げたばかり。そして、そのタイミングを見計らったかのように、本拠地を仙台として申請することを表明していた。
そもそも今回の球界再編は、一部オーナーが水面下で合併→球団数削減→1リーグ制実現に動いたのが発端だった。旗振り役の1人、堤オーナーが楽天参入を認めるというからには、チーム数を6に戻すことに消極的だったパの他球団も矛を収めざるを得なかった。ある財界首脳は「(1リーグに関し)堤さんは『今年はあきらめました』と話していた」と証言している。「あそこで完全に楽天への流れはできた」(セリーグ理事)。
球界は楽天より先に新規加盟申請を済ませていたライブドアに強い抵抗感を示していた。一方の楽天からは着々と根回しが進められていた。2社の新規参入の審査が始まる前に発せられた”堤の一声”をみれば、結論は明らかだった。星野代表が堤オーナーの意向を各理事に伝えた直後、さらに流れを加速する発言が、球界に力を持つ在京セリーグ球団代表からあった。「宮城県ライブドアから楽天に乗り換えた。」この時のやりとりには、緘口令が敷かれた。
労使協議後の会見。選手関係委員長のロッテ瀬戸山代表は「(選手会に)新たな提案をした。新規参入企業から申請をいただき、審査を経た上で(来期から)迎え入れることには全く問題はありません」と語った。そして翌23日。「来期から12球団に戻すことを視野に入れる」の文言を組み入れることで労使協議は妥結し、2回目のストは回避された。
選手会の松原事務局長もNPB側の急変を認める。「確かに経営者たちの態度はガラッと変わった」楽天ライブドアが審査を受け、楽天参入が正式承認されたのは11月2日のオーナー会議。それより一ヶ月以上も前に、楽天当確は決まった。

そのツルの一声をした、堤が球界から去るかもしれないから皮肉なもんだと思う。
だが、ライブドアにも問題があったのは確かで、競馬界でも迷惑をかけているようで、なんとも。